【将棋駒の種類】名前と読み方・駒の動き方
将棋は、日本で長く親しまれてきた伝統あるボードゲームです。9×9の盤面で40枚の駒を動かし、相手の“王”を追い詰めた方が勝ち。シンプルなルールの中に戦術・構想・読みの深さが詰まっており、大人から子どもまで楽しめる奥深い世界があります。
そして、この世界に足を踏み入れる第一歩となるのが「駒を知ること」です。将棋は“動きの違う駒たちをどう活かすか”で戦局が大きく変わります。つまり、駒の種類・名前・読み方・動き方を理解することは、将棋上達の土台そのものと言えます。
この記事では、将棋に興味を持ち「実際に盤を使って遊んでみたい」という方に向けて、駒の特徴を徹底的にわかりやすく解説していきます。
読み終えるころには、駒の動きがスッと頭に入り、「よし、実際に将棋盤を出して指してみよう」と思えるはずです。
将棋駒の種類は何種類?8種類の駒を動かす
将棋の駒には多くの枚数がありますが、種類そのものは意外にも 8種類 に集約されています。王将・金将・銀将・飛車・角行・桂馬・香車・歩兵。この8種類の特性を理解するだけで、将棋の基本構造が見通せるようになります。
「駒が多くて覚えられない…」と感じる人もいますが、名前と動きさえ理解してしまえば、一気にハードルが下がり、ゲームの流れが理解しやすくなります。将棋は複雑に見えて実は非常に合理的で、駒の役割分担も明快です。
例えば、飛車や角行は“遠くまで動けるパワー駒”、金将や銀将は“王を守る守備駒”、桂馬や香車は“独特の攻撃性能を持つ駒”、歩兵は“最も数が多く局面を支える駒”といったように、どの駒にも存在理由と強みがあります。
ここからはそれぞれの駒がどのように動き、どんな場面で使われるのか、具体例を交えながら詳しく解説していきます。
それぞれの将棋駒の名前・読み方・動き方
◆ 王将(おうしょう)
王将は、将棋の中心にして最重要の駒です。王将を捕まえられてしまった瞬間、どんなに優勢でも負けになります。そのため、王将の安全を確保する“囲いづくり”は、序盤の最重要課題と言えます。
動き方は上下左右・斜めの8方向に1マスずつ。 一見して自由度が高いようですが、移動距離が短く、逃げ場を失いやすいため、常に金将や銀将によるガードが求められます。
実際の対局では、王将を囲うために「矢倉囲い」「美濃囲い」などの陣形が組まれます。王を安全な場所に移動させることで、中盤・終盤の戦いで余裕を持って攻めに専念できるようになるため、初心者ほど“王を固める”意識を持つことが重要です。
◆ 金将(きんしょう)
金将は守備の要で、王将の近くに構えることが多い駒です。「金が付いている王は堅い」という言葉があるほど、金将は守りの質を左右します。
動きは前後左右、斜め前の計6方向へ1マス。斜め後ろには進めない点だけ要注意。
攻めに使われることもありますが、本領はやはり守備。特に終盤では“詰まない形”をつくるために金将の位置は極めて重要です。
たとえば金が横に並ぶ形は鉄壁に近く、相手は突破するのに時間を要します。逆に金がバラバラだと攻められやすくなるため、金将は「どこに置くか」で局面の安定度が大きく変わる駒と言えます。
◆ 銀将(ぎんしょう)
銀将は攻めと守りを両立する万能に近い駒です。
動きは前と斜め前後の5方向へ1マス。前に対して強く、後ろの守りが弱いのが特徴です。
序盤から積極的に前に出して攻めのきっかけを作るのが一般的で、「左銀」「右銀」と呼ばれる進出ルートが戦法の根幹となることも少なくありません。矢倉戦でも、振り飛車戦でも、銀将をどう前に繰り出すかが勝敗に直結します。
守りでも、斜め方向をカバーできるため柔軟性が高く、特に玉頭付近での受けとして活躍します。攻めにも守りにも関わるため、銀将を使いこなせるかどうかで将棋のレベルが大きく変わるとも言えます。
◆ 飛車(ひしゃ)
飛車は将棋最強の攻撃駒として知られています。
動きは縦横に何マスでも進める、圧倒的な射程。 敵陣に入って成ると「竜王(りゅうおう)」となり、さらに斜めにも1マス動けるようになります。
あまりにも強いため、飛車の位置によって戦法そのものが変わります。“居飛車”は飛車を元の位置(右側)で使う戦法、“振り飛車”は飛車を左側へ移動してから使う戦法です。多くの有名戦法も飛車の位置を中心に展開されています。
攻撃の要である飛車を失うと一気に不利になりますが、逆に飛車が自由に動ける状態を作れれば、一気に敵陣を突破できます。将棋の攻めの中心にいるため、初心者であっても飛車の価値を早めに理解することが大切です。
◆ 角行(かくぎょう)
角行は斜め方向への長距離砲で、盤面の広い範囲をにらみます。
動きは斜めに何マスでも移動可能。 敵陣に入って成ると「馬(うま)」となり、斜め無限+縦横1マスという非常に強力な動き方になります。
角の利き(攻撃範囲)は盤面を大きく支配し、相手は角のラインに細心の注意を払わなければなりません。角交換が発生すると、持ち駒として再投入できるため、さらに攻撃の幅が広がります。
角は“遠くから効く”駒であるため、守りの中に配置しても働き続ける点が魅力です。角の利きを理解できると「このマスは危ない」「ここに打つと巧妙」といった判断ができるようになり、戦術の理解が一気に深まります。
◆ 桂馬(けいま)
桂馬は将棋唯一の“飛び越える駒”。その動きはクセがあるものの、攻撃力が非常に高い駒です。
動きは前方斜めの2マス(いわゆる「桂のジャンプ」)。後ろには戻れません。
相手の駒を飛び越えて攻撃できるため、中盤での仕掛けの起点としてよく使われます。特に相手の守りを乱す「桂打ち」は強力で、詰みの場面にも頻繁に登場します。
ただし戻れないため、出しどころが悪いと簡単に取られてしまうリスクもあります。桂馬は「ここぞ」という場面で使うと効果が最大化される、タイミング重視の駒と言えます。
◆ 香車(きょうしゃ)
香車は前方一直線のみという極めてシンプルな動きをしますが、攻撃能力は高く、端攻めの主役です。
動きは前方向に何マスでも進める。敵陣に入れば「成香」となり、金将と同じ動きが可能になります。
序盤から前に出すことは少ないものの、終盤戦における香の直進性は侮れません。特に相手の王を追い詰める場面で、香車が1本だけ通っている筋から一気に圧力をかける場面はプロ棋士の将棋でも頻繁に見られます。
攻撃一筋の駒だからこそ、使うべき場面を理解すると非常に強力になります。
◆ 歩兵(ふひょう)
歩兵は最も数が多く、将棋の基本を支える駒です。
動きは前に1マスずつ進むのみ。 敵陣に入ると“と金”に成り、金将に近い動きができる強力駒に変化します。
序盤は歩を突いて飛車や角の利きを通す“歩の交換”、中盤では拠点を作って相手陣を圧迫し、終盤では詰みの主役として登場します。歩は地味に見えて実は大活躍する駒で、歩の取り扱いが上手くなるだけで将棋の質が一段上がります。
初心者こそ歩の価値を理解しておくと、中盤以降の構想が立てやすくなります。
まとめ
将棋の駒は8種類とシンプルですが、動きも役割も実に個性豊かです。王将を守りながら、金将や銀将で陣形を整え、飛車や角行で盤面を支配し、桂馬や香車の鋭い攻撃で突破し、歩兵で土台を固める。これらが絡み合うことで将棋は無限の深さを持つゲームとなっています。
そして、駒の種類や動きを知ることは、その奥深い世界への“入口”です。
次のステップは、とてもシンプルです。 実際に将棋盤を前にして、駒を並べてみてください。
駒を触り、動かしてみることで、理解が身体に落ちていきます。最初は定跡や難しい戦法を覚える必要はありません。駒の動きに慣れていくことで自然と「こう攻めるのか」「ここを守るのか」という感覚が芽生えてきます。
将棋の面白さは“知ること”から大きく広がり、“指すこと”によってさらに深く豊かになります。
ぜひ、この記事で得た知識を実際の盤上で活かし、将棋の魅力を存分に味わってみてください。





































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