刑務所製作 囲碁将棋事情 CAPIC
刑務所で製作した製品は、従来から刑務所作業製品と呼ばれていますが、より広く親しめるブランドイメージに変えるとともに、「安くて品質の良い」商品を広くご愛用いただくようにするため、矯正協会刑務作業協力事業の英訳(Correctional Association Prison Industry Cooperation)の頭文字をとったものです。
そして、「CAPIC」と、この文字を組み合わせたマークを作り、これを商標としております。
なお、売上げの一部を犯罪被害者支援団体の活動に助成しています。
- 平成24年3月末現在、約6万1千人の受刑者が、全国77の刑事施設(刑務所等)で就業しています。この作業を刑務作業と言います。
- 受刑者は、社会復帰に備え、規則正しい毎日を送りながら健全な心身を養うため、所内の工場で職員の指導を受け作業に従事しています。
- 刑務作業は、受刑者に対して職業的な技能を付与することなどを目的としており、受刑者は組織的なプログラムのもとで、木工、印刷、洋裁、金属、革工等を代表とする作業に就き、その技能の向上を図っています。
- 受刑者に職業的技能を身に付けさせるためには、皆様方のご理解とお力添えが必要です。
このように実に様々な商品が刑務所の受刑者によってつくられています。御神輿、靴、箪笥、机などの家具、インテリア、ファッション、アウトドアー、趣味、雑貨、ガーデニング、大根白菜等野菜、そのなかに碁盤将棋盤があります。札幌、山形、大分、京都等で製作されています。
CAPICと言う名称でなく、刑務所矯正展の名称で開催されていた頃、何回か展示会に参加しました。東京武道館での展示会、法務大臣のあいさつで始まります。大規模な展です。
東京府中刑務所では一番行列のできるのが野菜売り場、すさましい列です。大根が一番人気、市価の三分の一、とても太い大根一本何十円でした。白菜人参と飛ぶように売れていきます。開場前から門前で大行列です。そして近い処にちゃんこ鍋、これはとっても美味しかったです。おにぎりもあり、すっかり大満足です。
会場は刑務所敷地とその外側にもあります。其処を清掃している受刑服を着た受刑者、受刑態度のよいものだけに任されています。
矯正展の碁盤、将棋盤は合成版仕上げの盤が殆どです。一時姫路の少年刑務所では本榧盤を作っていました、あまり造りはよくなかったように覚えています。やはり本榧盤は素材の良さがポイントです。
作業場を観る機会があり、徳島刑務所に招かれました。門前に明らかにその筋の人、外車 「姉さんドウゾ」と言われ、降りてきた女性、服役中の主人に面会との事。
作業場に行きつくまで門は三か所で検査、財布貴金属類、煙草も預けて入っていきます。徳島は家具の生産処です。いい単板が入手し易く、その単板で実に上手に単板を盤に張っていきます。ここの盤は本当綺麗です。
さて盤の方は作れますが、盤脚は刑務所では作れません。専用の工作機械がいるためです。その盤脚を私の勤務先の碁盤屋から納入していました。そんな訳でこういった機会が持てたのでした。
札幌、山形、大分、京都の各刑務所は5年から8年くらいの中、長期の服役者の多い処ですやはり短い刑期では木工家具等のいいもの覚えきらないうちに出所となり、以後の生活の為の職業訓練にならないからです。
中、長期の服役者ならこそ、神輿や家具で矯正展で法務大臣賞をもらえたりする位熟練工になれるわけです。5年8年それ以上の服役となるとその犯した罪状はかなりの犯罪です。だから作業所見学の時は、少しおっかなドッキリだったのを覚えています。
刑務所での囲碁将棋
舎房では自由時間の時、囲碁や将棋をする事を許されていますが決して他人のやっている囲碁・将棋を(観戦)のぞく事はダメなのです。横から口を出し、ケンカになる事はあよく有る事なのですが。
しかし、すぐ横でやっているのでついつい無意識の内に目が行く場合があるではないですか、たまたま運が悪いのでしょうか。看守に見つかる時があるのです。当然、注意されるのですがこれが二度三度と続くと取調べの対象となるのです。囲碁や将棋ぐらいと思うのですが。刑務所の決まりなのでどうしょうもないのです。しかし、これが現実の刑務所なのです。不思議と思いませんか。